山形県には太陽光からバイオマスまで再生可能エネルギーの資源が豊富にある。
最近では小水力発電の開発プロジェクトが急速に広がってきた。
山間部 から平野へ流れる農業用水路を活用できるほか、浄水場などの水道設備にも
発電機を導入して、多彩な方式で電力の地産地消を推進中だ。

東北地方には全国の水田の約3割がある。山から平野に張りめぐらせた農業用水路には
大量の水が流れていて、いまや小水力発電の宝庫でもある。山形県は福島県に次いで
小水力発電の導入ポテンシャルがあり、大規模な火力発電所に匹敵する75万kW(キロ
ワット)の潜在量を秘めている。

導入ポテンシャル

農林水産省が推進する小水力発電の導入プロジェクトも山形県内に数多く集まっている。
農業用水路の管理施設に水力発電機を導入して、発電した電力を自家消費するか電力
会社に売電する。
未利用の再生可能エネルギーを生かして農業用水路の維持管理費を軽減することが狙いだ。

代表的な例が2014年11月に運転を開始した「野川小水力発電所」である。
県南部の長井市を流れる置賜野川(おきたまのがわ)から分岐した農業用水路に建設した。
豊富な水量を生かせるように2基の水車発電機を並列に設置して、最大で198kW(キロ
ワット)の電力を供給することができる。

小水力発電所

[引用元:スマートジャパン 雪国に広がる小水力発電~農業用水路や水道設備を生かす]

YCSがある白鷹町の隣にあるのが長井市で、そこを流れる野川からの農業用水は豊富な
水量を誇り、以前の調査で400kW以上の発電が見込める適地として挙げられていた場所です。

最大電力は200kW未満で、買取価格が34円/1kWと小水力発電では一番高い金額です。
建設費は4億円以上と比較的高く、1kW当たり200万円を超えている為に費用回収期間が
15年程度と、回収期間が8~12年程度と言われる小水力発電でも少し長めになっています。

山形県の小水力発電は、2013年末の時点では1カ所も認定を受けていなかったのですが、
1年間で大幅に増え、FITの認定を受けた小水力発電の規模は全国で15位に拡大しました。
まだ県内各地に適地は残っているため、今後も発電所の建設が進むものと期待しています。

小水力発電に適した場所を示す導入ポテンシャルのグラフを見るとわかりますが、適地と
されているのは、北海道~東北の日本海側~新潟、北陸、長野の「雪国」なのです。

さらに、「農業県」でもあり、山地の豊富な水資源と発達した農業用水路を利用する事が
出来るので、太陽光発電に不向きと思われている東北の日本海側などは、実は小水力発電
に向いており、太陽光発電に向いた広い土地を確保出来なくても、既存の農業用水路周辺
の狭い土地に、60%以上と言われる設備利用率の発電所を建設する事は十分に可能です。

水力発電自体はかなり昔からあったもので、大小さまざまな発電所が全国各地にあり、
水車や発電技術は国内、海外含めてすでに確立していて、あらたな発電所の建設にも特に
不安がなく、建設費が比較的高い点を除けば、デメリットは少ないといえます。

しかし、適地が限られているのと稼働まで長期間を要するのがネックとなり、FITの対象に
なっていたものの、太陽光発電ばかり注目され、小水力発電はあまり目立たない存在でした。
環境に優しいという点では、建設場所も大きく必要とせず、CO2の排出もないので建設に際し
地域に受け入れられやすく、学習・観光資源としての用途にも適しているので有望です。

地元で電気をつくる本―市民発電所でエネルギーが変わる