首都圏は小売全面自由化で新たに開放される家庭・商用向け低圧市場の中で、最も
激しい事業者間の競争が予想される。その中で現在最大の顧客を抱え、“守る立場”に
いるのが東京電力だ。その同社がついに電力料金プランの概要を発表した。

2016年4月からはじまる電力の小売全面自由化に向け、ついに東京電力が新たな料金
プランを発表した。小売全面自由化後の最大市場となる首都圏に対し、他の新規参入
事業者から既存顧客を“守る”立場にある東京電力はどのような戦略で挑むのか。
以下では発表された主な新しい料金プランについて紹介していく。

料金プランは2段階制に変更
これまでの東京電力の一般的な家庭向けの料金プランである「従来電灯B/C」に相当
する新料金プランが「スタンダードプラン」だ。S、L、Xの3つのプランを用意した。
プランSとプランLがこれまでの従来電灯BとCに相当するものだ。契約の大きさが10~
60Aの場合はプランS、60A以上の場合はプランLを推奨するという料金区分も、従来
電灯B/Cと同じである。なお、プランXはスマートメーターを活用した新しいプランで、
これについては後述する。

料金プラン
※ポイント割引のモデル 出典:東京電力

[引用元:スマートジャパン “セット割”に勝負を託す、東京電力の新料金プラン]

東京電力が、電力全面自由化に向け、今までの電力会社にない大きな改革を進めています。
国内最大の顧客を抱えた巨大な電力市場には、エネルギー会社や通販会社、通信業者などの
多彩な多くの事業者が参入を表明しており、激戦区になるのは十分に想像できます。
厳しい状況に対応する、従来の電力会社のイメージからは想像も出来ない事業を展開します。

2016年4月から展開するその事業とは、
◎電力だけでなく、ガスや水道など異なる商品とのセット販売を行います。
すでに、電力小売市場に参入する通信業者が打ち出しているセット商品への対抗でしょう。
◎持株会社制に移行し発電会社・送配電会社・小売会社の3つを立ち上げます。
2020年4月からの発送電分離に向け、いち早く取り組むものです。

◎東京電力会社管内だけでなく、中部や関西などを含めた地域に全国展開します。
正に仁義なき戦いと言えますが、電力全面自由化が定着すれば当たり前になるでしょう。
受電設備の保安管理サービス、更新時の設計・施工も行います。
今までは住み分けしていた受電設備の保安や更新工事という領域の事業に参入します。

◎一般家庭向けに、太陽光パネルや蓄電設備、電力使用実績の閲覧サービスも提案します。
今まで電力会社が直接提供することがなかったサービスを、信用を強みに展開します。
◎一般ガス事業者、通信会社、ポイント運営会社など他業界のさまざまな企業と提携します。
顧客からすれば、電気が安くなるだけでなく、ポイントまで付くのは嬉しいかぎりです。

今後、既存の電力会社を含めた新規の事業者が様々なサービスを提供し、2016年4年から
全国で自由化される低圧域の7~8兆円という巨大な市場に挑むことになるでしょう。
サービスを受ける需要家は、どの事業者が良いのか、どのサービスが合っているのか、
これからの営業攻勢に惑わされることなく、正しい情報を慎重に選ぶ必要があります。

「東京電力」研究 排除の系譜 (角川文庫)