電力会社を頂点とする従来の市場構造を転換する試みが全国各地に広がってきた。
自治体が主導して再生可能エネルギーを増やしながら、同時に地域内で消費できる
循環型のエネルギー供給システムを構築する。4月に始まる全面自由化に向けて、自
治体が出資する小売電気事業者も続々と生まれる。

全国で約1700に及ぶ自治体はいずれも、学校や病院を含めて数多くの公共施設を所
有している。大量の電力を消費する立場にあって、電力の安定供給やコストに対する
意識は高い。その一方で地域の活性化に向けた実効力のある対策を求められている。

新たな町づくりを目指して再生可能エネルギーの地産地消を推進する動きが活発に
なり、自治体みずから電力の小売に乗り出すケースも増えてきた。
注目を集める自治体の1つが鳥取県の鳥取市だ。市内でガス事業を展開する鳥取ガス
と共同で、電力小売の新会社「とっとり市民電力」を2015年8月に設立した。
さらに12月には再生可能エネルギーによる発電事業を支援する「とっとり環境エネル
ギーアライアンス」を地元の企業6社と設立して、地域内でエネルギーを供給できる
体制づくりを進めている。

とっとり

※鳥取市のエネルギー地産地消を推進する2つの事業会社。出典:鳥取市役所

[引用元:スマートジャパン エネルギーの地産地消で町が変わる、自治体が電力の小売に~]

山形県でも、昨年9月に「やまがた新電力」が設立され、2016年4月から電力供給を始めます。
新電力は株式会社とし、資本金は7,000万円で県が2,340万円、県内の地方銀行や発電事業者、
エネルギー関連企業など18社と県外の需給調整専門事業者が残りを共同出資しています。

電力の調達は県内の再生エネ事業者17発電所との契約を実現し、最大で年間2,300万kWhの供給が
可能とされ、当面は東北電力の送電網を通じて、一般向けではなく県有施設70カ所へ売電します。
買取価格と売電価格は当面、東北電力と同水準に設定するとのことなので、まずは東北電力の大口
顧客を奪うだけの形になり、県が出費する経費の金額が減る訳ではなさそうです。

また、固定価格買い取り制度に伴う交付金収入を含め、年間約9億円の売り上げを見込んでいる
そうですが、電力の購入者(需要家)に対して再生可能エネルギーによる付加価値を説明して
販売することを経済産業省が禁止している現状、「やまがた新電力は、再生可能エネルギーに
よるクリーンな電力を販売している」という宣伝ができない事は障害にならないでしょうか。

やまがた新電力が、再生可能エネルギーである事を何をもって購入者にアピールし顧客を増やして
いくのか、今後の販売・宣伝方法などに関心を持って見守っていきたいと思います。

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