福島県では2040年にエネルギー需要の100%を再生可能エネルギーで供給する長期ビジョン
を推進中だ。第1期の3年間が2015年度で終了するが、太陽光発電の急拡大で目標の24%を
大きく上回る。
次の第2期では風力とバイオマスを伸ばして、2018年度に28%まで高める目標を設定した。

「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」は東日本大震災が発生した2011年3月に策定
されて、1年後に内容を改訂した。新たに設定した目標は2020年度に県内のエネルギー需
要の40%を再生可能エネルギーで供給できるようにしたうえで、2040年度には100%まで
高める。電力だけではなくて燃料を含めて再生可能エネルギーで供給できるようにする
意欲的な計画だ。

再生可能エネルギー

福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」の導入目標と進捗状況。kl:キロリットル。
出典:福島県企画調整部

目標達成に向けて「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」の第1期を2013~
2015年度の3年計画で実施した。その結果、2015年度の目標値に掲げた再生可能エネルギ
ーの導入比率24%を上回って26.6%を達成できる見通しだ。特に3年間で太陽光発電の導
入量が5倍以上に拡大した効果が 大きい。加えてバイオマス発電も当初の見込みを大幅
に超えた。

再生可能エネルギー種別

第1期(2013~2015年度)の導入量。MW:メガワット。出典:福島県企画調整部

特に力を入れるのは、県が管理するダムで実施する小水力発電だ。いわき市にある「四
時(しとき)ダム」の小水力発電が先行事例で、民間に委託する ESCO(Energy Service
Company)方式を採用した。ESCO方式は民間の事業者が資金調達から建設・運営まで
を担当して、自治体はダムの維持管理費を軽減すること ができる。この事業スキームを
利用して小水力発電を拡大していく。

[引用元:スマートジャパン 再生可能エネルギー100%を目指す福島県~]

原子力発電所の事故を契機に、再生可能エネルギーの利用拡大が進んでいますが、福島県は
なんと100%の供給を目標に計画を策定、意欲的に進めています。
当面は太陽光発電の建設が先行しますが、地域の特性を生かした資源の利用により多様な発
電方式を取り入れていく計画です。

山林資源を使ったバイオマス発電、温泉が多いことから地熱発電、海からの風を利用した風
力発電も十分に建設可能です。
記事にもあるように、豊富な水資源を小水力発電に利用する事もでき、地域に合った様々な
発電方式を実現できるのが福島県の地域的特性と言えます。

発電所の建設・運営にはお金がかかりますが、民間に委託するESCO方式を採用することで、
自治体の負担は減り、限りある予算の範囲内で発電所の数を増やせるメリットがあります。
衰退しつつあるESCO方式でしたが、この様な用途での事例が増えてくれば、今後、多くの
エネルギー関連企業や金融機関が、魅力的な事業として取り組めるようになるでしょう。

東京オリンピックの際には、福島県が再生可能エネルギーと水素エネルギーで復興する姿を
世界中にアピールすることができると思いますが、国内でも、困難に対してあきらめず先を
目指す姿勢は、多くの方々を勇気づけるとともに、事業への関心を深めるでしょう。

2040年までに再生可能エネルギー100%を作り上げるという壮大な計画ですが、福島県は、
困難に打ち勝ち、世界で最先端のスマートシティとして変貌する姿を見せるでしょう。

100%再生可能へ! ドイツの市民エネルギー企業