福岡工業大学(福岡県福岡市)は12日、落差がない流れの緩やかな水路に低コストで設置で
きる小水力発電システム、「フラッター水力発電装置」を開発し、本装置に関する技術発明
の特許権を取得したと発表した。

フラッター水力発電装置は、従来の水車を利用した発電装置とは異なり、水中翼が流れに対し
左右に往復運動して発電する。落差が不要で低流速から発電でき、また、高速回転部を持たず
構造がシンプルで、ごみの付着や詰まりに強く、水中生物に安全といった特徴がある。

水路の形を変えるような大きな工事を伴わなくても、台座を据え付けて固定するだけで設置が
可能という利点があり、農業用水路向け小水力発電機として も適している。また、ゆっくり
とした流れでも発電できるため、送電線を引くことが難しい地域での小規模な自然エネルギ
ー利用のニーズに応えられると考えら れている。

例えば、LED外灯の点灯や災害時の非常用電源、電動農機具の夜間充電等への活用が期待さ
れ、バッテリーへの充電と放電の組み合わせを最適に制御して、電力を更に有効利用するた
めの研究も行っている。

小水力発電設備

フラッター水力発電とは
旗や飛行機の翼などが、風や気流のエネルギーを受けて起こす振動をフラッター現象という。
同大学工学部知能機械工学科の阿比留久徳教授は、この現象を利用してエネルギーを取り出す
ことができないかと考えて開発に取り組んできたのが、フラッター方式の水力発電装置だと
説明する。

フラッター水力発電装置は、水中翼が流れの方向に対して左右に往復運動をすることで発電す
る。水中翼を水路の上方から見ると、ちょうど、飛行機が上昇する際の主翼の働きに似てお
り、流れに対して傾きを持つことで、水中翼を動かす力が発生する。水中翼は端まで動くと
機械的に自動で向きを変え反対側に動いていく。水中翼につながった機械構造は蒸気機関車
のピストンとよく似た動きで発電機を一方向に切れ目なく回転させることができる。これに
より効率的に発電を行う。

[引用元:環境ビジネスオンライン 落差がない農業用水路にも設置できる! 新開発~]

従来の水力発電は水車を利用したものが一般的でしたが、この発電装置は水中翼が流れに対し左右に
往復運動して発電します。発電のためにはある程度の落差が必要でしたが、フラッター方式は低流速
から発電できる特徴を持っているので、設置できる農業用水路が大幅に増えるメリットがあります。
高速回転部を持っていないシンプルな構造なので、今まで問題となっていたゴミの付着や詰まりに強
くなったため、水中生物に安全、管理の労力の低減に貢献するといった大きな特徴があります。

従来の小水力発電設備は、水路へ大掛かりな工事によって発電設備を建設していたため、発電効率は
良いものの、建設費が比較的高価になるのがネックでしたが、台座を据え付けて固定するだけで設置
が可能という簡単な構造のため、農業用水路向け小水力発電機としても特に適していると言えます。

落差がなく、水流が穏やかな場所に設置しても発電できるため、送電線がない、または引くのが難し
い山奥などの地域での小規模な発電が可能となるため、自然エネルギーを使いたいが適地が見つから
ない、建設費が高くてすぐには取り組めないといった事業者にとって期待が大きいシステムです。

多くの利用可能な農業用水路向けの小水力発電設備として、低コストや環境への調和も配慮されてい
フラッター方式は、専用の導水路を新たに設ける必要がなく、利水に影響を与えないため、地元の
水利権者の合意を得られやすいという、建設の最大の障害をクリアできるのが大きいと思います。

小水力発電がわかる本—しくみから導入まで—