需要家から見て、既存の電力会社から新電力に切り替えるメリットがあるかどうか、
新電力側からは、安い料金で電力を供給出来るかを営業的に判断する材料として、
お客様の「負荷率(%)」(稼働率)が高いか低いかがたいへん重要になってきます。

「負荷率(%)」は、年間の消費電力量[kWh]の合計、契約電力[kW](最大電力)、
定数8,760(24時間×365日)で計算され、需要家の電力の使い方を判断出来ます。

負荷率(%)=年間消費電力量[kWh]÷(契約電力[kW]×24時間×365日)×100

負荷率が高いというのは、電力使用量が一日を通して平均的で、電力のピーク時と
使っていない時の差が少ない状況をいい、24時間稼働に近い施設に多い傾向です。

工場、ホテル、病院、24時間営業のスーパー等がこれに当てはまり、設置してある
設備をフル稼働、または継続的に稼働させる時間が長い業種・業態となります。

負荷率が低いというのは、電力使用量のピークと使用していない時間帯がはっきり
していて、電力の使い方にメリハリがある状況をいい、昼間だけ人がいる施設です。
官公庁の建物、学校、スキー場、スポーツ施設、事務所ビル等が当てはまります。

新電力が電力を調達する方法はおおまかに以下のとおりです。
◎自主電源・PPA
・自社の発電所、または関係会社から電力を調達する方法で、新たな発電所だけで
なく、既存の発電所からも電力を調達するので、量を確保しやすい特徴があります。
◎常時BU
・一般電気事業者(既存の電力会社)から販売需要の一部を供給するもので、
価格等の条件は電力会社によって決められており、それぞれ異なります。
◎市場調達
・日本卸電力取引市場(JEPX)で購入出来る電力で、入札/落札により電力を
調達するもので、流通する電力量により価格がある程度変動することがあります。
・スポット、先渡し、1時間前市場等、メニューのバリエーションが多くあります。

電力の供給を希望する需要家に対して、新電力は上記の様な所から必要な電力を
調達しますが、全ての需要家に販売できる程余裕がある新電力ばかりではありません。

企業としての採算性も考えなくてはならず、供給する需要家を選ぶ必要があります。

そこで、採算性が良い=安い電力を供給出来る=負荷率が低いという理屈になり、
多くの新電力は、負荷率が低い需要家に優先的に電力を供給したがる傾向です。

2011年の東日本大震災の後に、しばらくの間、日本卸電力取引市場(JEPX)
調達出来る電力が高騰し、既存の電力会社より高くなってしまう事例がありました。

そういうとき、新電力は採算性を考え、負荷率が高めの需要家との契約を打ち切り、
確実に安く電力を供給出来る需要家との契約を優先する事になった例がありました。

現在でも、負荷率の低い需要家を優先して電力を供給する新電力がほとんどですが、
企業経営の安定化、つまり電力の安定供給の為にはやむを得ない状況と考えます。

しかし、採算性を最重要視していない新電力も少なからずあり、多くの新電力が
敬遠して供給出来ない、負荷率が高い需要家にも電力を供給している例があります。

最近、負荷率に関係なく、小口の100kW未満の需要家の切り替えを断ってくる事も
増えてきて、採算性を重視する新電力もいろいろ戦略があるのだなと思いました。
その会社が、電力を売る事業をどう位置付けているかを見極めると面白いでしょう。

今後は、太陽光発電等の再生可能エネルギーによる発電量が増えて調達が楽になり、
発送電分離による託送料の下落で、新電力はコストを下げられるかもしれません。

現在は、負荷率で供給する需要家が限定される事があるものの、今後は負荷率の
影響が減り、電力会社を自由に選べる需要家が増えていくことを期待したいですね。

PPS(新電力)のすすめ―電力会社の電気を買ってはいけない