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【2024年6月】コンテナ運賃は高騰が続く見通し!ただし9月には下落の見込み

6月 27, 2024

6月24日現在、高騰し続けているコンテナ運賃(主にスポット運賃)は引き続き上昇しています。
例年であれば、7月頃からピークシーズンに入り、輸送需要が高まり運賃が値上がりしますが、2024年はすでに運賃が急騰しています。
そのため、今後どこまで高値を更新するかは予測が難しい状況です。
すでにアジアの主要港であるシンガポールと上海では、船と大量のコンテナによる混雑と遅延が発生しています。

この記事では、運賃の動向と混雑が起きている港の現状、今後の見通しについて、以下のポイントを解説します。

  • 輸送需要とコンテナ運賃の動向
  • WCIとSCFIの運賃指数の現状
  • シンガポールの港の状況
  • マレーシアの港が積み替え拠点として台頭
  • ピークシーズンは高水準と早期到来
  • 高騰したコンテナ運賃は9月頃に落ち着くと分析

これから2カ月間は、輸送需要がさらに増加し、PSS(割増料金)も適用されるため、運賃の下落は見込めません。

しかし、2024年のピークシーズンは早期到来だったと分析されており、同時に早期終息も見込まれています。
そのため、秋の初めには輸送需要が低下し、運賃が下落に転じるでしょう。

コンテナ運賃の高騰と輸送需要の増加は夏までの見通し

まずは、今後のコンテナ運賃の見通しを以下のように紹介します。

  • コンテナ運賃は9月頃に落ち着く
  • 駆け込み需要で海運会社の業績は回復

それぞれ確認していきましょう。

コンテナ運賃は9月頃に落ち着く

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コンテナ運賃の高騰と輸送需要の増加は、ピークシーズンの早期到来と考えられています。
詳しくは後述しますが、NRF(全米小売業協会)は、今回の需要増加は駆け込み需要の意味合いがあると発表しています。

そのため、例年より早く需要が低下して、運賃も9月頃に落ち着く可能性が高いです。
ドイツのContainer xChange社が発表した6月の市場予測レポートによると、コンテナ運賃の高騰は、コンテナと船の大幅な不足と予想外の需要増加が同時に発生したことが原因だそうです。

また、急騰したコンテナ運賃には持続性はないと予想しており、5月頃から始まった在庫補充ラッシュが落ち着けば、企業の需要は横ばいで推移すると分析しています。

つまり、例年よりも早く輸送需要が高まったものの、一時的なものであり、十分な在庫が確保されれば、物量も落ち着くと考えられます。

駆け込み需要で海運会社の業績は回復

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駆け込み需要で運賃が高騰していると分析されているものの、全体の物量が少ないわけではありません。

デンマークの海運会社Maersk(マースク)は、6月3日に通期見通しの上方修正を発表しました。
同社は、コンテナ市場の需要が引き続き堅調で、アジアと中東の港湾混雑によりコンテナ運賃がさらなる上昇の兆しがあると分析しています。

また、需要の高まりは8月まで続く可能性があると予想しており、2024 年後半に同社の業績改善に寄与するそうです。

まとめると、約2カ月間はコンテナの輸送需要が増え、運賃の高騰は続く見込みです。
その後、輸送需要の低下と混雑解消により、運賃は落ち着いていきます。

コンテナ運賃指標であるWCIとSCFIは続伸

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2024年6月24日時点のコンテナ運賃を、WCI(世界コンテナ指数)とSCFI(上海輸出コンテナ指数)の2つの指標から解説します。

  • ドリューリー社のWCI
  • 上海航運交易所のSCFI

どちらも高騰していますが、その伸び方に変化が出てきています。
それぞれ確認していきましょう。

ドリューリー社のWCIは5000ドル超え

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画像引用:World Container Index – 20 Jun|drewry

6月20日に発表されたドリューリー(Drewry)社のWCI(World Container Index:世界コンテナ指数)は、40フィートコンテナ1個あたり5,117ドル(前週比7%増)です。

6月13日時点では4,801ドル(前週比2%増)で伸びが鈍化したため、一応のピークに近づいていると予想されました。

しかし、現在では5,000ドルを超えており、さらに高騰する気配があります。
主要航路ごとのスポット運賃は以下のとおりです。

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画像引用:World Container Index – 20 Jun|drewry

一部の航路を除き、全体的に運賃が上昇していることがわかります。
ドリューリー社は、中国発のスポット運賃はアジア圏の港での混雑により、来週も上昇し続けると今後の見通しを予想しています。

港の混雑はすぐには解消はされないため、円滑なコンテナ輸送ができるようになるまでには時間がかかるでしょう。
また、その期間は運賃は上昇すると見込まれます。

上海航運交易所のSCFIはペースが鈍化

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画像引用:SCFI运价指数 | Shanghai Shipping Exchange

中国の上海航運交易所が公開しているコンテナ運賃指標SCFIは、やや伸びが鈍化してきています。

6月21日時点のSCFIの総合指標は3,475.60(前週比2.9%増)でした。
前週は3,379.22(前週比6.1%増)であったため、運賃上昇のペースが鈍化してきているといえます。

とはいえ、輸送需要は増加しており、アジア発の遠洋航路の輸送スペースは6月末まで全て予約済みとなっているそうです。
また、主要な海運会社がPSS(ピークシーズンサーチャージ:Peak Season Surcharge)を6月15日頃から引き上げたことで、今後の運賃の上昇に拍車がかかるでしょう。

そのため、今後の運賃動向を考えると、一部の航路を除いて当面は運賃上昇が続くとみられます。

シンガポールの港では船とコンテナが集中し渋滞

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アジアの主要なコンテナ積み替え港であるシンガポールでは、港に船とコンテナが集中しており、混雑と遅延が発生しています。

ただし、MPA(シンガポール海事港湾庁)の発表と、Linerlytica(ライナーリティカ)社の分析ではやや異なる点があるため、両者の見解を解説します。

  • シンガポール海事港湾庁の発表
  • Linerlytica社の分析

それぞれ確認していきましょう。

シンガポール海事港湾庁は大規模な混雑は起きていないと発表

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5月30日にMPA(シンガポール海事港湾庁)が発表した内容によれば、港湾運営会社PSAが増加するコンテナの処理能力を上げるため、ケッペ​​ル港の古いバース(港に船が着岸する場所)とヤードを再稼働させました。

この結果、PSA社が毎週のコンテナ処理能力を77万TEUから82万TEUに増やすことができたそうです。

トゥアス港の既存の8つのバースに加え、2024年後半には新しく3つのバースが運用を開始し、これにより港の処理能力が向上する予定です。

また、PSA 社は新しいバースの運用開始を早め、短期的にコンテナ取扱能力全体を向上させる計画と発表しています。

メディア向けには、シンガポールに寄港する船舶(到着船舶の約3分の2)は、停泊の遅れや停泊地の混雑は発生していないと発表しています。

続いて6月8日に公開された内容では、MPAが大手の海運会社CMA CGMやONEにより、取り扱ったコンテナ量が増加していると発表しました。

説明によれば、2024年の最初の5カ月間で取り扱ったコンテナの総量は、20フィートコンテナ換算で1,690万TEUであり、前年同期比で7.7%の増加であると報告しています。

ただし、港でのコンテナ需要は高いと述べていますが、大規模な混雑や遅延に関しては言及しておらず、大きな問題は起きていないように見えます。

Linerlytica社は港の混雑は深刻と判断

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Linerlytica(ライナーリティカ)社は、シンガポールの沖合で30隻のコンテナ船が待機しているとデータを公開しています。

待機中のコンテナ船は、シンガポールの港に停泊する機会を1週間ほど待っているそうです。
通常は最大で1~2日とされています。

しかし、6月上旬にMPA(シンガポール海事港湾庁)の発表では、シンガポールの港で大規模な混雑や遅延は起きていないとしています。
また、コンテナ船の平均待機時間は約2~3日と説明しているため、両者の主張には食い違いが生じており、正確な状況が不明です。

港の混雑は、すぐに解決されることはないため、数ヵ月はシンガポールの港では混雑が続き、ボトルネックとなって円滑な輸送に影響が出るはずです。

そのため、一部のコンテナ船は積み替え港であるシンガポールで停泊せずに、他の港で積み荷を降ろして対応していると発表もされています。

シンガポールの隣国マレーシアの港がコンテナ積み替え拠点として台頭

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船とコンテナが集中して混雑しているシンガポールの隣国にあるマレーシアでは、コンテナ港の機能充実が図られており、積み替え拠点としてのポジションを獲得しつつあります。

その中でも、タンジュン・ペレパス港(PTP:Port of Tanjung Pelepas)は、2024年5月に107万8000TEUを取り扱い、月間処理量が過去最高を達成したと報告しました。
また、処理量だけでなく混雑なく処理できたそうです。

同港は、6月4日に発表されたコンテナ港湾パフォーマンス指数2023で、世界銀行とS&Pグローバルマーケットインテリジェンスによって、世界で5番目に効率的なコンテナ港としてランク付けされました。

世界有数の積み替え拠点のシンガポールの隣であるため、今後の拠点として機能充実がさらに図られていく可能性があります。

そうなれば、喜望峰を経由して迂回するコンテナ船の遅延や港の混雑への対策として、タンジュン・ペレパス港が重宝されるでしょう。

アメリカの輸入貨物量は2年ぶりに高水準の見込み

blank画像引用:Monthly Import Cargo To Hit Highest Level Since 2022

6月10日、NRF(全米小売業協会)は、アメリカ国内の主要コンテナ港の月間輸入貨物量は約2年ぶりの高水準に達する見込みだとレポートを発表しました。

これは、7カ月連続で月間の輸入貨物量が20フィートコンテナ換算で200万を超えると予想されるためです。

輸入貨物量がこれだけ増えるのは、2022年10月以来で2度目となります。
NRFが貨物量が増える理由として、以下の3つをあげています。

  • パンデミック後の消費が伸びて、小売業者が在庫補充を拡大
  • 8月発効予定の中国製品に対する関税引き上げ前の駆け込み需要
  • 今年のホリデーシーズン(11月末頃~年末)用に十分な在庫を確保

多くの輸入業者は、パンデミック中に物流網が機能しなかったことから、できるだけ早く、多くの商品を確保しようと動いているとNRFは分析しています。

そのため、一部の企業は例年よりも早くクリスマスシーズンの在庫確保を急いでいるそうです。

このような動きから、例年よりも早く北米でピークシーズンの輸送需要の拡大が始まったと分析されています。
ただし、ピークシーズンの早期到来によって、輸送需要の収束も早まると考えるのが妥当です。

高騰したコンテナ運賃は9月頃に落ち着く見通し|まとめ

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6月現在、コンテナ運賃は高騰を続けていますが、例年よりも早く下落すると予想されます。
理由は、早期にピークシーズン(例年なら7~10月)が到来したため、9月頃には需要が落ち着くという分析がされているからです。

加えて、2024年4月のアメリカの個人消費支出が横ばいになってきており、北米に関しては景気が絶好調に良いとは言えない状況です。

そのため、今後も継続的に輸送需要が高まり続けるとは考えにくく、貨物量の低下に伴い運賃も下落に転じる可能性が高いでしょう。

とはいえ、紅海危機により迂回航路で輸送しているため、コンテナがインドやアジアの一部の港に集中して、円滑な輸送が難しくなっている状態です。

そのため、港の混雑と船への積み直し、空コンテナ再配置の問題で依然として輸送力がひっ迫しており、2カ月ほどは運賃が上昇し続けるでしょう。

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