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国際物流混乱によるコンテナ価格高止まり

8月 26, 2021

国際物流混乱

※2021年8月時点の記事になります

2020年末頃からCOVID-19(新型コロナ)を発端として、世界的な物流の混乱が発生しました。

特に世界の工場と言われる中国での生産停止は世界各地での物資不足を招きました。

中国での経済活動再開後もCOVID-19(新型コロナ)の影響により、2021年8月現在でも世界中で物流の混乱が発生し、コンテナ価格が高止まりしています。

本記事では2021年8月までに世界中でどのような物流の混乱が発生したのか、コンテナ価格に影響を与えている現象について、解説します。

コンテナ荷動きの急激な変化と増大

東アジア(中国、韓国、日本含む)からの主要輸出地である北米向けのコンテナ荷動きは、2020年前半は前年同月比で大きく減少し、低迷していました。

これはCOVID-19(新型コロナ)の感染蔓延により、中国の工場が操業を大幅に規制、または停止させたことにより、輸出するモノ自体がなくなってしまったため、輸出が大きく減りました。

その後、アメリカなどの主要輸入国でも感染が拡大し、ロックダウンの影響などによって、需要自体も激減しました。

需要と供給が供に落ち込んだだめ、コンテナの荷動きは半年以上も低迷しました。

しかし、2020年後半からは北米の巣ごもり需要等の影響により、急速に回復しています。

米国航路(アジア18か国⇒米国)月別荷動き量の推移

米国航路(アジア18か国⇒米国)月別荷動き量の推移
(出所::日本海事センター(http://jpmac.or.jp/relation/trend.html?id=30

上記グラフのように、2020年7月は前年同月比で変化なく、8月からは逆に増加に転じています。

なお、2021年以降の前年同月比はCOVID-19(新型コロナ)の影響を受けた低迷期との比較になりますので、増加率が大きくなっていますが、2021年後半から数量に大きな変化はなく、2019年と比べても20%以上多い状況が続いていると言えます。

そのようなコンテナ取扱量の急増を反映するようにコンテナの海上運賃も空前の高値で推移しています。

コンテナ運賃の上昇や価格推移は以下の記事をご参照ください。

参考記事:コンテナ海上輸送の運賃が上昇する原因について

 

北米西岸の港湾混雑の発生と深刻化

取扱量の急増と作業員不足

北米向けの取扱量が伸びつけていることは、前章でご紹介しました。

一大消費地であり、世界最大の輸入国である北米では、取扱量急増に対応するためにコンテナ船から積み下ろしするための作業員や、港から搬出入するためのトレーラーと運転手が必要になりました。荷役施設やトレーラーは24時間稼働できますが、それらを動かす”人”は必要不可欠です。

然しながら、2020年後半は中国ではCOVID-19(新型コロナ)の沈静化の兆しが見え始めていましたが、アメリカでは感染拡大が続いていたタイミングです。

港湾作業員やトレーラー運転手のCOVID-19(新型コロナ)感染やクラスターが発生し、一部の港湾施設が封鎖される事態も発生しました。

封鎖されない場合でも、接触した作業員はPCR検査で陰性であることが証明されるまで自宅待機が命じられるなど、厳しい措置が取られていました

このように取扱量の急増に対し、作業員は逆に減るケースもあり、作業員の不足が発生しました。

内陸輸送遅延の発生

コンテナ船からコンテナターミナルに陸揚げした後、荷受人(受け取る人)はコンテナターミナルにコンテナを取りに行く必要がありますが、受取~内陸輸送を請け負う業者に委託することが一般的です。

しかし、内陸輸送も港湾と同じように作業員(運転手)の不足や、都市のロックダウンやターミナル(貨物を振り分ける施設)の封鎖などが生じました。

そのほか、北米では鉄道が物流を支えているのですが、作業員の不足などで輸送効率が低下しました。

本来であれば、陸揚げされたコンテナは速やかにコンテナターミナルから搬出され、荷受人が貨物を取り出した後、空となったコンテナはコンテナターミナルに戻ってきます。

しかし、内陸輸送が滞ったため、荷受人からの空コンテナ返却が遅延するなどの影響を及ぼしました。

コンテナターミナルの混雑と滞船の発生

北米西岸では取扱量が過去最大級となっていましたが、前述の内陸輸送遅延や、受け取り側の工場封鎖などによって、コンテナターミナルからコンテナの搬出が遅れたため、ターミナルにコンテナが積みあがるという現象が発生しました。

作業員不足とコンテナが適切な時期に搬出されないという事態が発生したため、北米西岸の主要港では、荷揚げしたくても出来ないコンテナ船が沖合で待機する(=滞船)状態が生まれました。

コンテナ海上輸送担う、日本最大の海運会社「オーシャンネットワークエキスプレスジャパン株式会社(以降、ONE社)」の発表によると、2021年上半期は北米西岸主要港(Los Angeles / Long Beach港、Oakland港)では20隻~40隻の滞船が発生したとされています。

特に1月~4月が深刻でしたが、5月以降は20隻前後の滞船状況となっています。

ONE社プレスリリース

出所:ONE社プレスリリース (https://jp.one-line.com/ja/news/061521nawccongestion1)

さらに荷揚げされても、コンテナターミナルから搬出されて内陸鉄道に載せるまでに最大40日かかったケースも発生したと発表されています。

通常であれば4~6営業日以内に搬出されるケースがほとんどのため、10倍近い時間がかかっていますので、まさに非常事態と言えます。

ONE社が7月末に発表したプレスリリースによると、2021年7月16日時点でもLos Angeles / Long Beach港では16隻、Oakland港では19隻の滞船が発生しています。

内陸鉄道の接続に関しても、15~25日程度を有しているとのことですので、引き続き混乱が続いています。

このような状況でコンテナ輸送の所要時間(リードタイム)が伸びたため、輸送効率が低下し、結果として海上運賃の上昇やコンテナ不足によるコンテナ価格の上昇を招いています。

世界各地の港湾封鎖や荷役能力低下に伴う混乱

前章では北米西岸の混雑について解説しましたが、同じような事態が世界各地で発生しています。

最近では2021年5月下旬から中国 深セン市に近い塩田港がCOVID-19(新型コロナ)の感染拡大を理由に封鎖され、6月上旬の一部受け入れ再開時には50隻以上の船舶が沖合で待機(=滞船)していました。

2021年8月には世界3位のコンテナ取扱量を誇る中国の寧波舟山港が部分封鎖され、東南アジアでも感染拡大を理由として港湾の一部封鎖などが発生し、シンガポールやマレーシアのポートケラン港といった物流拠点(ハブ港)でも10日程度の滞船が発生しています。

港湾封鎖や作業員不足による荷役能力低下は世界規模で発生しています。

海上運賃とコンテナ価格の見通し(2021年8月時点)

港湾封鎖や作業員の不足、荷役能力の低下、受入能力の限界などの複合的な原因により、コンテナの国際物流の混乱は収まる気配がありません。

それを反映するようにコンテナの海上運賃は最高値を塗り替え続けています。

参考記事:コンテナ海上輸送の運賃が上昇する原因について

また、滞船や内陸輸送遅延によるコンテナ輸送の所要時間(リードタイム)の増大や、空コンテナの回送(輸入地から輸出地にコンテナを返却する)作業が間に合わず、コンテナ不足が継続しています。

塩田港や寧波舟山港の一部封鎖により、中国でもコンテナの不足感が再燃していますが、中国国内のコンテナ製造量は順調に推移していますので、封鎖解消とともに不足感も和らぐものと考えられています。

参考記事:コンテナ製造量から読み解く!コンテナ不足長期化の原因と解消見通しについて【2021年7月

COVID-19(新型コロナ)の感染拡大から1年以上が経過しましたが、世界的な物流安定とコンテナ海上運賃及びコンテナ価格の安定化には、時間が必要な見込です。

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