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コンテナの積み込み方法は?バンニング・デバンニングの基本やコンテナの中身を解説します

7月 6, 2022

一般生活でほとんど見かけることのないコンテナですが、以下のようなシチュエーションでは、そのダイナミックな姿を垣間見ることができます。

  • 輸出関連製品を扱う工場の近く
  • 福岡や名古屋、横浜といった観光にも魅力的な港
  • 釣り船でポイントまで移動している真っ最中

特に、釣り船での移動中に遭遇するコンテナ船は圧巻のスケール。戦艦のような巨体が文字通り目の前を通過するので、ほんの一瞬だけ魚のことを忘れてしまうほどです。

コンテナ船は圧巻のスケール

一方、コンテナの外観は少しばかり見たことがあっても、肝心の「中身」や「どのように積み込むか」を知っている人はそう多くないでしょう。

そこで今回は、コンテナに荷物を積み込む方法に加えて、バンニング・デバンニングといった業界知識を解説します。

大切な物資を安全に輸送できるよう、コンテナには様々な工夫が凝らされているため、本記事で知られざる世界を覗いてみてください。

 

コンテナの積み込み方法とは?

コンテナの積み込み方法とは

コンテナの積み込み方法を知る上では、以下2つの業界用語を押さえておかなければなりません。

  • バンニング
  • デバンニング

普通の物置に荷物を入れるのとは比べ物にならない規模感なので、知識の一環としてぜひ参考にしてください。

バンニング

まず1つ目の「バンニング(vanning)」は、コンテナに物資を載せる作業を意味しており、基本的に手作業かフォークリフト、あまりに荷物が大きい場合はクレーンで上から降ろします。

バンニング

ちなみに英語圏では「Load-Discharge」「Stuffing-Stripping」が主流で、貿易業界なら「バン詰め」と略されるのが一般的ですが、どの言語でも同じ作業を指していますよ。

【パレット貨物(通称ゲタ)をバンニングする様子】

【パレット貨物(通称ゲタ)をバンニングする様子】参照:lab.pasona

さて、このバンニングは一見すると「コンテナに荷物を入れる」だけの単純作業に思える一方、様々な法規制や積み込みのノウハウが必要なのです。

より理解を深めるためにも、以下の見出しで詳しく確認していきましょう。

税関への申告が必要

バンニングして荷物を国外へ持ち出すには「税関の審査」が必須であり、あらかじめ書類*を作成した上で以下の項目を申告しなければなりません。

*貿易書類は価格などを記載したインボイス、数量の内訳を明記したパッキングリストが代表的

  • コンテナに入っている荷物の価格
  • どんな製品がどれだけ入っているか(数量)
  • 薬品や食品などは別途手続きが必要

【実際に現場で使われているインボイスのフォーマット】

【実際に現場で使われているインボイスのフォーマット】参照:butsuryu

もし1つでも申告が漏れてしまうと、ペナルティを受ける上にその後の審査がとても厳しくなるので、バンニングのダイナミックな作業とは裏腹に大変繊細な手続きなのです。

ヤマシタコンテナサービス図解参考までに、税関へ申告し直すには、正しい荷物の数量で書類を再作成した後に専門部署へ提出しなければならず、かなりの手間がかかります。

貨物を組み付ける緻密な計算

コンテナがどれだけ大きくても、「なんとなく」で荷物を組み付ければスペースを無駄に消費することとなり、効率が低下するだけでなく輸送費もかさむばかりでしょう。

貨物を組み付ける緻密な計算

事実、組み付けのスキルが十分でないと、下図のように強烈な雪崩が起こるケースも多く、せっかくの製品が台無しになってしまうのです。

コンテナの荷崩れ参照:toishi.info

そのため、バンニングでは段ボールやパレット1個あたりのサイズと重量を算出し、パズルのように組み合わせていかなければなりません。

具体的に、自動車の積み込みでは「天井から吊り下げる」という斜め上の方法も用いられており、物流業界の創意工夫が感じられますね。

【コンテナ内部で車を吊り下げる驚きの様子】

コンテナ内部で車を吊り下げる驚きの様子参照:carsteel

この吊り下げ器具を扱うだけでも専門知識が要されるため、素人さんには難しいとされる理由にも頷けます。

デバンニング

バンニングが理解できた後は、荷下ろし作業を意味する「デバンニング(devanning)」も押さえておいた方が良いでしょう。

デバンニング

さて、一見するとバンニングより簡単なようにも思えますが、実際のところはとても過酷で繊細。業者以外はそもそも「コンテナすら開けられない」可能性があります。

  • コンテナ内部の温度は50度を優に超えることがある(逆に冬はとても冷える)
  • 荷物を降ろす順序を間違えると雪崩が起きて損害賠償
  • 荷物が崩れて作業員がケガをする恐れもある
  • コンテナを開けるにはシールという専用鍵を工具で壊さなければならない

すなわち、デバンニングは宅配便の段ボールを開けるのと次元が違うビッグイベントであり、日々作業者が汗を流して取り組んでくれているのです。

コンテナに荷物を積み込む流れは2通り

ここからは、コンテナに荷物を積み込む流れを2通りに分けて確認していきましょう。

  • FCL(Full Container Load)
  • LCL(Less Than Container Load)

バンニングの理解をさらに深めていくためにも、ぜひ参考にしてください。

FCL(Full Container Load)

FCL((Full Container Load))とは、1人、あるいは単一の企業がコンテナを丸々1本使って荷物を輸送する方法を指しています。

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主なメリットは以下の通りであり、スピーディーに港へ持っていけるだけでなく、盗難リスクも抑えられます。

  • バンニングから港へ持っていくまでがスピーディー
  • バン詰めした業者と受取人以外はコンテナを開けない*から盗難リスクが低い

*税関が検査する場合は例外的にコンテナを開けられます。

一方、十分な荷物の量がなければコストが割高になるデメリットもあり、専用のトラックも手配しなければなりません。

  • コンテナ一本を借りる・購入するコストに見合う荷物の量がないと採算が合わない
  • コンテナを港まで運ぶためのトラック(通称:ドレー)を手配する費用がかかる

ちなみに、ドレーは「トラックのヘッド」と「コンテナを載せるシャーシ」の総称。コンテナを運ぶにはそれぞれを業者から確保する必要があります。

ドレー

以上の基本を踏まえた上で、ここからは港へ持ち込むまでの流れを見ていきましょう。

製造者が直接バンニング

FCLは基本的に製造者や荷送り人が直接バンニングを行い、手配したドレーにコンテナごと受け渡します。

製造者が直接バンニング

参考までに、税関への申告やドレー手配などは、フォワーダーと呼ばれる専門業者へ委託するのが基本なので、荷送り人はバンニングと書類作成が主な作業ですね。

コンテナヤードへ持っていく

トラックに積み込んだコンテナは、「コンテナヤード」という港の専用施設へ運ばれて、巨大な船に搭載されます。

具体的な外観は以下の通り。遠巻きからなら誰もが一度は見たことがあるかもしれませんね。

【コンテナヤードの様子】

コンテナヤードの様子

ガントリークレーンでコンテナが吊り上げられる光景はまさに圧巻の一言。港湾スタッフの繊細なハンドルさばきが光ります。

ガントリークレーン

世界的に物流が活発化している時期は、コンテナヤードに大量のトラックが並ぶことも多く、2時間以上の待ち時間が発生するケースも少なくないようです。

LCL(Less Than Container Load)

LCL(Less Than Container Load)は、いわゆる「混載便」を意味しており、様々な荷送り人の荷物を1本のコンテナに集約します。

LCL(Less Than Container Load)

LCLには以下のようなメリットがあり、バンニングする技術や設備がなくても気軽にコンテナ輸送が利用できますよ。

  • 配送業者に荷物を渡すだけで荷物を送れる
  • 自分でバンニングする必要がない
  • 小さな荷物1個でも利用できる

ただし、様々な荷送り人の荷物を集めなければならないので、FCLよりもスケジュールが遅くなる点はデメリットですね。

  • FCLより1~2日はスケジュールが遅くなる
  • 荷物の量が多いとコストが割高になる

したがって、100kg単位のパレットが複数あるのなら、FCLが適しており、LCLはあくまでも小口ユーザー向けのサービスといえるでしょう。

配送業者に荷物を預ける

LCLの場合は、コンテナへ荷物を積み込むのではなく、通常の配送トラックに荷物を受け渡します。

先ほど触れたドレーとは違い、以下のようなヤマト運輸や佐川で用いられているごく一般的な輸送車ですよ。

【LCLで使われるトラック】

LCLで使われるトラック

もちろん、自宅や会社まで集荷に来てくれるので、荷送り人は荷物の準備と書類作成だけを済ませておけば問題ありません。

CFS(Container Freight Station)でバンニング

LCLとして集荷された荷物は、コンテナヤードの近くに設置されたCFS(Container Freight Station)という施設に集められて、一本のコンテナにバンニングされます。

【広島港のCFS】

広島港のCFS参照:h-port

貿易業界にいなければ理解しにくいかもしれませんが、コンテナヤードは出来上がったコンテナを持ち込む場所、CFSはヤードへ持ち込むためにコンテナを準備する設備とイメージしておけば良いでしょう。

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ちなみに、間違えてバラ貨物をコンテナヤードに送ると、港湾スタッフから中々の勢いで怒られるのは業界の豆知識?です。

 

コンテナに施された3つの工夫

ここからは、コンテナに施された3つの工夫を確認していきましょう。

  • ショアリング
  • ラッシング
  • シール

輸送の安全性向上に役立つ技術を把握し、より知見を深めてください。

ショアリング

ショアリングとは、コンテナ内部の荷物を固定する方法を意味しており、一般的には現場で余った角材などが用いられます。

【開口部付近に木材を組んで雪崩を防ぐ様子】

開口部付近に木材を組んで雪崩を防ぐ様子参照:toishi.info

一見すると少しチープなように思えますが、木製部材には以下のメリットがあり、鉄製のバーなどよりも遥かに取り回しやすいのです。

  • 比較的取り付けやすい
  • デバンニング時の取り外しが簡単
  • 程よい強度がある

ただし、コンテナを「借りている」場合に、木材(通称:ショア材)を直接ビスで打ち付けてしまうとオーナーから修復費用を請求される可能性があるので、基本的にはショア材同士を接合しなければなりません。

ラッシング

ラッシングは、木材ではなく「紐やロープ」を使って荷物を固定する方法であり、より強度を高めるために鉄製ワイヤーを使うケースもあります。

【コンテナ内部をラッシングしている様子】

コンテナ内部をラッシングしている様子参照:cordstrap

ショアリングとラッシングの切り替えは梱包業者の判断に委ねられますが、最大限に荷物の安全性を高めたいのなら両方を使うのが理想です。

ちなみに、コンテナによってはラッシング用のフックが付いており、作業の手間がかからないように工夫されています。

ラッシング用のフック参照:ycs.co.jp

以下サイトでは、よりラッシングに特化したコンテナも扱っているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ヤマシタコンテナサービスの公式サイトはこちら

シール

コンテナは様々な関係者が取り扱う性質上、盗難のリスクは常に注意しなければなりません。

しかし、物流業界では下図のような「シール」という専用器具を導入し、極めて高水準なセキュリティ性を実現しています。

シール参照:Twitter

さて、このシールですが、見た目とは裏腹にかなり頑丈な仕様となっており、荷主と荷受人に様々なメリットを与えてくれるのです。

  • 1回使い切りなので盗難者が外せば二度と戻せない(犯行の痕跡が分かる)
  • そもそも解錠するために専用工具が必要
  • シールには固有の番号が振られておりすぐに自分のコンテナか識別できる

税関検査の時だけは例外的に解錠が認められていますが、一般人がコンテナの中身を盗み出すのはまず不可能と思って良いでしょう。

シールの詳細は以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

実は誰でもコンテナで荷物を送れる

実は誰でもコンテナで荷物を送れる

コンテナは世界の物流業界を下支えする重要なアイテムであるものの、一般人はどこか縁遠く感じてしまうかもしれませんね。

しかし、もし海外へ荷物を送りたい場合は、以下のサービスを使えば誰でもコンテナで荷物を送れるのです。

  • 日本郵便
  • クーリエ
  • フォワーダー

航空便よりも安い輸送方法を知りたい方は、しっかり押さえておきましょう。

おすすめ|日本郵便

日本郵便が提供している「国際郵便」は、小さなハガキから大きな段ボールまで幅広く対応しており、ウェブサイトで簡単に見積もりを取ることができます。

おすすめ|日本郵便参照:post.japanpost

配送状況も送り状番号を入力するだけでチェックが可能となっており、もし安く収まるのなら航空便に切り替えられる点も大きな魅力。

blank参照:post.japanpost

最寄りの郵便局に持っていけば誰でも荷物を送れるので、ぜひ利用してみてくださいね。

クーリエ

クーリエとは、小包の国際郵便を扱うサービスの名称であり、世界中で様々な業者がサービスを展開しています。

DHL

DHL参照:dhl.com

DHLはドイツを中心に物流サービスを提供している業界最大手の輸送業者。あらかじめアカウントを開設しておけば誰でも利用できる上に、指定場所まで荷物を取りに来てくれるメリットもあります。

輸送コストは少し割高な印象ですが、船と飛行機を巧みに使い分けて地球の裏側までスピーディーに荷物を送れるでしょう。

FedEx

参照:fedex.com

アメリカのテネシー州に本社を置くFedExは、DHLと同じく世界的に活躍している大手輸送業者です。小包はもちろん大容量の貨物にも対応しており、その運営規模は飛行機を自社で保有するほど。

無論、コンテナ輸送にも確かなノウハウを持つことから、海外向けの荷物も安心して預けられるでしょう。

UPS

UPS参照:ups.com

UPSは、アメリカのジョージア州アトランタを拠点に物流ネットワークを展開しています。こちらも自社保有の飛行機を駆使して縦横無尽に世界を駆け巡り、安価なコンテナ輸送にも対応していますよ。

以上の3社はアカウントさえ発行すれば誰でも荷物を発送できるため、日本郵便と合わせて把握しておきましょう。

企業向け|フォワーダー

フォワーダーとは、国際輸送に関連する手続き全般を扱う専門業者であり、正直なところ一般的な知名度はそこまで高くはありません。

国内なら日本通運や西鉄、世界的にはDHLも同様のサービスを展開しており、LCLのための配送業者手配はもちろんコンテナピックアップ、船のスペース確保まで幅広くサポートしてくれるでしょう。

nittsu参照:nittsu

一方、フォワーダーは基本的にBtoBが主流なので、先ほど触れた日本郵便とクーリエのように一般人が小包を委託することはできないでしょう。

運送コストなどは他のサービスよりも安く済む可能性があるため、もし企業として荷物を発送したい場合は検討してみてください。

まとめ

本記事では、コンテナの積み込み方法や貨物の安全性を高める工夫、一般層向けのコンテナ輸送サービスについても解説してきました。

  • コンテナの積み込みはバンニングと呼ばれる
  • 荷下ろしの業界用語はデバンニング
  • コンテナ輸送を利用したいなら日本郵便かクーリエがおすすめ

コンテナの積み込みには様々なノウハウが導入されており、率直にいって専門業者でなければ到底行えません。

ただし、コンテナ輸送自体は誰でも手軽に利用できるため、航空便よりも安く海外へ荷物を送りたい場合は、ぜひ本記事を参考に日本郵便やクーリエを検討してください。

また、以下のサイトでは物置に最適な小型コンテナから、貿易で使うような巨大コンテナを幅広く取り扱っています。コンテナが持つ多彩な用途を踏まえつつ、自分好みに運用してみましょう。

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