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コンテナ不足が発生する原因について

1月 14, 2021

コンテナ不足が発生する原因について

様々なトラブルによって、市場(マーケット)からコンテナが不足し、輸出に大きな影響を及ぼすことがあります。特にCOVID-19(新型コロナ)の影響を受け、深刻なコンテナ不足がアジア域で2020年末頃から発生しました。

日本の国際貿易の99.6%(重量ベース)が海上輸送で成り立っており、そのうち約20%がコンテナ輸送だと言われています。世界全体では年間1億6500万TEU(※①)の輸送が行われており、年々増え続けています。

このように世界の貿易を支えるコンテナが不足すると、日本経済にも大きな影響を及ぼします。通常であれば需要過多であることが多いはずのコンテナが不足するのはなぜでしょうか?
今回は2020年末頃から発生したコンテナ不足の原因について、解説します。

※ コンテナ海上輸送の運賃が上昇する原因についてはこちら

国際輸送のコンテナは誰のものか

コンテナ不足の原因に触れる前に、世界中に多数あるコンテナですが、一体どのような企業が所有しているのでしょうか。国際的な輸送に使用されるコンテナの側面には、企業名がペイントされているのを見かけることがあるかもしれませんが、コンテナは一つ一つのISO番号(世界で一つの番号)が付与されており、必ず所有者がいます。コンテナの所有者は主に4つのパターンがあります。

 海運会社
 NVOCC(複合一貫輸送業者)
 荷主
 リース会社所有

海運会社とNVOCCは自社の顧客(=荷主)に対して、自社のコンテナを貸し出しています。
ですが、荷主の中には自社所有のコンテナを持っている会社があり、例えば冷凍・冷蔵を多く扱う会社は、コンテナ内部の清潔さが重要となることや、安定的な輸送が必要となるため、自社所有しているケースがありますが、全体で見ると少数派です。
リース会社は主に海運会社とNVOCCに対して、短期又は長期でリース(貸出)を行うことで収益を得ており、需要がひっ迫した際の調整役となっています。

従って、コンテナの不足は海運会社とNVOCCの所有コンテナが不足し、リース会社がリース(貸出)をしても需要を満たせない場合に発生する現象です。

なぜコンテナが不足するのか

コンテナは海運会社とNVOCCが主に所有しており、荷主に貸し出しています。荷主は積み地でコンテナに貨物を詰め、揚げ地でコンテナから貨物を取り出し、返却します。

原因1:返却の遅延

コンテナが輸入地に到着した際、荷主はコンテナから貨物を取り出し、空となったコンテナを返却する必要があります。貨物を取り出すための時間を考慮し、揚港に到着から14日程度のフリータイム(無料貸し出し)が設けられているのが一般的です。
フリータイム(約14日)を超えると延滞料金が発生しますので、荷主はコンテナをフリータイムの期限内に返却するのが一般的です。
然しながら、様々な理由で輸入地での受け取りが遅れ、コンテナが返却されないことがあります。

(例)
 悪天候(大雪、台風)などによって、受け取っても搬出できないため、コンテナのまま保管されている
 ストライキなどによって、作業員が集まらない
 紛争、大規模災害などにより、受け取り作業が行わない

2020年に入り、COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大により、受け取り作業自体が当局の指示によって禁止され、作業員が集まらないという状況が発生しました。受け取っても港から搬出できないため、コンテナのまま保管したいという荷主もいたようです。
コンテナの返却が遅延すると、輸入地でコンテナが多く滞留することになり、結果として輸出地でコンテナ不足が発生するのです。

原因2:地域間の需給バランス

中国が「世界の工場」と呼ばれるようになってから、間もなく四半世紀となります。
日本や韓国も含む東アジア全体で考えると、実は世界全体のコンテナ輸送の6割が東アジアを発着とするか、東アジア域内(中国⇔日本など)となっており、世界の物流は東アジアを中心に回っていると表現しても過言ではありません。
然しながら、「世界の工場」と呼ばれるだけあり、東アジアからは多くの輸出が行われています。地域間で見ると、東アジアと北米では輸入よりも輸出が約3倍多いのが現状です。

コンテナの輸送バランス

(2019年の東アジアと北米間の年間コンテナ輸送量)

このように輸出入のバランスが取れていない場合、海運会社は往路(東アジア→北米)は貨物が入っているコンテナを運ぶことが出来ますが、往路(北米→東アジア)は貨物が入っていない、空のコンテナを持って帰る必要があります。
空のコンテナは誰も輸送費を払ってくれないため、海運会社は少しでも運賃収入を得ようと、北米からの輸出が多い地域(欧州)を経由して東アジアに戻ってきます。

このように海運会社は通常のコンテナ輸送量を見極めながら、航路の選定や場合によっては空コンテナの輸送も行います。
然しながら、急激な景気の変動などにより、輸送量に大きな変化が生じた場合には対応できなくなることがあります。今回のCOVID-19(新型コロナウイルス)では、2020年の上旬から中国発の物流が大きく減り、コンテナ航路は減便を余儀なくされました。
東アジアを出発したコンテナは北米から別のエリアに向かい、その先で東アジアに戻る手段を失い、コンテナが現地に留め置かれるということが発生しました。

原因3:輸出量の急激な増加

その後、中国での感染が沈静化すると、一転して輸出量が例年より増大します。マスクや防護服など、衛生用品の需要急増や、北米やヨーロッパなどでの感染拡大により、生活物資の生産に影響が出たためです。

そのような輸出量が増加している状況の場合、コンテナ航路の輸送可能量を往路で使い切っていますので、復路で持って帰ることが出来る空コンテナの量は、輸出量と同数以下となります。
輸出の増加に対応するために世界で余っているコンテナを輸出地に戻そうとしても、輸出量以上を戻すことが出来ず、輸出地ではコンテナの不足が発生します。

コンテナ輸送量のイメージ

(コンテナ輸送量のイメージ)

このような状況で原因①のような輸入地での滞留が発生したため、2020年末には東アジア地域のコンテナの在庫が枯渇し、コンテナ不足が発生することになりました。

コンテナ不足に関するまとめ

通常であれば、リース会社が抱えるコンテナによって多少の需要増加には耐えることができます。また、東アジアはコンテナ生産シェア95%を誇りますので、東アジア地域は真っ先にコンテナが供給されてきたという歴史があります。
然しながら、今回のCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響度は過去最大規模だったため、コンテナの生産が追い付かず、東アジア地域からコンテナが世界中に旅立ったままとなってしまいました。

世界の物流量が増加したわけではないので、地域間の需給バランスが正常に戻るか、コンテナの生産が追い付くことでコンテナ不足はいずれ解消される見通しです。

※ コンテナ海上輸送の運賃が上昇する原因についてはこちら

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